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日本数学会

関孝和300年祭と高木貞治50年祭

関孝和300年祭と高木貞治50年祭

 2008 年は、関孝和先生が物故せられてから三百周年でありました。二百年忌の1907年には、本会の前身である東京数学物理学会が関孝和先生の二百年紀祭を祝賀し、出版事業、講演会を行ったという実績もあり、今回、日本数学会は関孝和三百年祭の一翼を担うことになりました。すなわち、7つの学協会代表を含む関孝和三百年祭記念事業実行委員会に人的、財政的支援を行い、関孝和三百年祭記念事業を成功させました。

 特に、東京・上野の国立科学博物館において、2008 年11月22日から2009 年1月12日まで、日本の科学者技術者展第7 回として、「関孝和三百年祭記念 数学 日本のパイオニアたち」を開催し、約7万人の入場者があり大盛会でありました。関孝和先生を始めとする和算家(吉田光由、建部賢弘、松永良弼、内田五観)に加えて近現代の数学者、菊池大麓、高木貞治、小平邦彦(敬称略)の展示を行い、日本の数学の約四百年間を振り返り、高レベルの伝統があること、数学が如何に人間社会の基盤になっているかを社会に広める役割を果たしました。

 日本の数学の近代化において、高木貞治先生の存在は非常に大きなものがあります。先の展示会でも、「世界的な業績を残した近代日本の数学者―高木貞治」と紹介しています。高木貞治先生は1960年2月28日に物故せられ、2010 年は、没後50 周年にあたります。日本数学会は、今年度を、高木貞治50 年祭年として、記念事業を行うこととなりました。この事業の目的は、高木貞治先生の事績を振り返り、顕彰し、次世代育成に資することで、そのために、伝記・業績再調査(数学的・社会的影響を含む)事業、出版事業、展示会、講演会、その他の行事を行います。

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